今回は、イラストレーターとして就職を目指す方向けに、ポートフォリオ作成のポイントをお話しします。
1. 「自分にできること」をしっかりアピール!
ポートフォリオは、自分のスキルを見てもらうための大事な資料です。
描けるジャンル・対象が多ければ多いほど、それはあなたの実力の証明になります。
- 老若男女のキャラ
- 動物、背景、小物
- 自分の好きなジャンルや雰囲気の絵
「多すぎるかな…」と思うくらい、いろんな作品を入れてもOKです。
描ける対象の幅があると、それだけで「この人、いろんな仕事に対応できそう」と感じてもらいやすくなります。
2. 苦手なもの、つい避けていませんか?
「この絵は上手く描けた気がする」
「これはあんまり…だから入れないでおこう」
そんなふうに選んでいくと、得意な構図やジャンルばかりになってしまうことがあります。
たとえば…
- バストアップの絵ばかり
- 顔のアップが中心
- 似た構図が続く
これらは一見「見栄えがよい」ようでいて、「全身が描けないのかな?」と判断されるリスクもあります。
もし「全身のイラスト」や「動きのある構図」が少ない場合は、ほんの少しだけ、苦手なものにも挑戦してみるのもおすすめです。
3. 手、描くのって難しいですよね…
正直なところ、手ってすごく難しいです。
私もいまだに何度も描き直しますし、悩むこともあります。
指の長さや角度、関節の動き、影のつけ方…
「うまく描けないから、ポケットに手を入れたポーズにしよう」
「体の後ろに隠しちゃおう…」
——そんな気持ちも、すごくよくわかります。
でも実は、「手を描いているかどうか」は、ポートフォリオを見る人がかなり注目しているポイントでもあります。
構造が複雑で、骨や筋の動き、指の角度、手のひらの立体感など、細かい観察と理解が必要になります。
だからこそ、手を自然に、表情豊かに描けている人は、総合的な画力が高いと判断されやすいんです。
採用担当者も、「この人、手をしっかり描けてるな」と思った時点で、
観察力がある
デッサン力がある
動きや感情表現に強い
…といった評価につながりやすくなります。
4. 好き+基礎力が伝わると、より魅力的に
あなたのセンスや世界観は、ポートフォリオの中で大きな武器になります。
その上で、基礎的なデッサンや描写力も一緒に見せられると、より説得力のあるポートフォリオになります。
- 自分の「好き」がつまった作品
- 全身や手がきちんと描かれている絵
- 表情・ポーズ・構図の幅がある作品
全部を完璧に揃える必要はありません。
ただ、「こういうことも描けるようになりたい」「ちゃんと見せたい」という想いが、ページの中に少しでも表れていると、伝わるものはすごく大きいです。
最後に
ポートフォリオは、「今の自分の実力をさらけ出すこと」なので、不安になることも多いと思います。
でも、うまく描けなかったとしても、挑戦した絵や、あなたの工夫や努力がしっかり伝わると、それが一番のアピールになります。
「苦手だけど、描いてみた」
その一枚が、見ている人の心に残るかもしれません。
一度に全部できなくても大丈夫です。小さな積み重ねが、ちゃんと先につながっていきます。
毎日の「少しずつ」が、未来の「描ける」に変わっていきます。
今日描けた1枚が、きっと次につながります。
それだけで十分、いい歩みです。